Songs of George Gershwin & Cole Porter
- Summer Time
- Our Love is Here to Stay
- It Ain’t Necessarily So
- I Love You Porgy
- Love for Sale
- The Man I Love
- Anything Goes
- But not for Me
- My Heart Belongs to Daddy
- Phapsody in Blue
- It’s All Right with Me
- I’ve Got You under My Skin
白人と黒人の音楽、さらには芸術的なものとポピュラー音楽の本格的な橋渡しを行なった初めての作曲者 George Gershwin、ミュージカルや映画音楽の分野でその多くの曲がスタンダードとなり多くのファンを魅了し続けているCole Porter、その2人の名曲を大変個性豊かなアレンジでレコーディングしたCDが完成しました。
- Vocal
- 辻本 明子 Akiko Tsujimoto
- Piano
- 五島和成 Kazushige Goshima
- Guitar
- 相原秀章 Hideaki Aihara
- Bass
- カイドーユタカ Yutaka Kaido
- Drums
- Abbey
メッセージ
カイドーユタカ [ベース]
frenchroastで G.GershwinとC.Porterの曲をレパートリーとしてやるようになって十数年になります。
始めの頃は月一回 スタジオに集まりGershwin/Porterの曲をこんな拍子はどう?こんなリズムはどう? こんなテンポは?こんなハーモニーは? とその場でアイデアを出しながら練習会のような雰囲気でやっていました。やがてライブをやろう、という話が出たのですが、ライブをやるにあたっていつものスタジオでの”思いつきアレンジ”では少し物足りなく感じて イントロからエンディングまでしっかりアレンジした方が音楽的で良いのではないか、せっかく月一回集まっているのだから バンドとしての一体感を前面に出した方がインパクトがあるのではないか、と思ったのでした。
私自身他の様々なセッションバンドで経験を積んで、数多く演奏されてきたスタンダードナンバーもアレンジによって雰囲気がガラリと変わったり、新たに生まれ変わったりすることを実感していました。
ちょうど定期的に勉強会的なリハーサルをしてサウンドがまとまってきていたので、これも勉強と思って何曲かアレンジを担当することにしました。
アレンジを始めてみてわかったのですが、G.Gershwin とC.Porter の曲はメロディアスであると同時に幾何学的とも言えるフレーズも含まれており、アレンジによってどのようにでも変化させることができる魔法のような曲達でした。アレンジといっても5人編成のジャズグループですから大まかな決め事があってあとはお任せ、な部分も多くあります。
実際 今回のレコーディングではメンバー各々の個性が遺憾なく発揮されて素晴らしい出来栄えとなりました“frenchroast”の特徴の一つは 辻本明子さんの軽やかで細やかなvocalです。よく聴くと大変細部にこだわっているのがわかります。
もう一つ、”frenchroast “のサウンドの最大の特徴と言えるのがguitar 相原秀章さんの存在です。単純にジャズヴォーカルと伴奏という構造ならvocal,piano,bass,drums,で充分な訳ですが、相原秀章さんのギターが入ることでサウンドに膨らみが出るだけでなく、バンドとしての一体感が大幅に増しています。
今回のfrenchroast の作品はG.GershwinとC.Porter の曲という、昔から演奏されている、そして今後もずっとジャズミュージシャンが取り上げていくであろう題材に真っ向から挑んで、普遍的で新しいものになったと思います。
そしてこれからも”frenchroast “は、ますますジャズの過去と未来を繋ぐようなグループであり続けるであろう、と確信しています。
Abbey [ドラム]
初めて参加させていただきました。プレイヤーとしても尊敬する、先輩方のアレンジのアイディアがすごいというか奇想天外だったりして、僕で事足りるのか また、どうなるのか最初は心配でしたが(笑)さすが息のあったメンバー。辻本さんのボイスが乗っかるとすごくバランスが取れるんですね。
アルバムは最初から最後まで聴き通すと、映画を見たような、そんな気分になれると思います。
辻本さんのチャレンジ、素敵です!
五島和成 [ピアノ]
今回の曲がCDになったのは、辻本さんの情熱によるものと思います。結成して10年以上になりますが、今までの集大成としてこのバンドのコンセプトが1枚のCDで理解出来るアルバムになったと思います。
相原秀章 [ギター]
frenchroastに参加して10年はたったと思いますが、ついに アルバムを作る事が出来ました。
人柄の良い個性的な面々と臨んだレコ―ディングは、オーバーダブなしの一発録りの割には自然な感じですんなり録音出来ました。
アレンジも一人一人の個性が出ていてfrenchroastならではの仕上がりになっております。
辻本明子 [ボーカル]
いつか、frenchroastでレコーディングを!という想いが実りました。
レコーディングには、たくさんの労力が必要でしたが、始まれば あっ…という間に終わってしまい、それまでの長い時間は、そのゴージャスな一瞬のためにあった、と“今まさに”感無量のものがあります。
昔、いずみたくミュージカルアカデミーで、ミュージカルを目指す人たちの伴奏をしていた時のことですが、いずみたくさんは生徒たちに、「歌を目指すものは7色の声の持ち主でありなさい」と言われ、その言葉が長く印象に残っていました。今回のレコーディングで色々なアレンジ曲を歌っていくうち、アレンジに伴う表現のなかに自分の声の“音色”について考える良い機会を得ました。あとは個性豊かなアレンジと演奏に導かれ、大船に乗った気持ちで、自然にそして心を込めて歌えました。
今後、たくさんの方々が、このアルバムを聴いてくださり、愛してくださることを願っています。